お土産話でも持って帰っていただこうと思います。(*この話は終始、うまくまとめることができてませんでした。) Google Earthの話です。マイクロソフトに続く巨大な企業へと急速に成長した、あのグーグルのVRソフトです。
地球を神様視点でみるソフト。地形、衛星写真、タウン情報。ウェブ検索と連動。そして、3D好きにはたまらない建物。
ただ眺めるだけのソフトではない。僕らが作った建造物(*ライン付き)も置くことができるし、そのデータもネットワークで共有できる。さらに、そろそろ身近なものになるGPSを使って、走る車、歩く人までがアース上にプロットすることもできる。まさに、地球上にあるありとあらゆるものをバーチャルリアリティーとして再現しようとする試みが始まろうとしているのではないか。静的な物体にとどまらず、動的な物体もプロットできるようになれば、本当にリアルな時間軸さえも表現できるVRとなる。
それだけではない。グーグルはありとあらゆる情報を収集しているのは、皆さんもご存知でしょう。WEB、メール、個人カレンダー、さまざまな文献、GPSなどなど。情報を集めた後はどうするのか。それは情報を元にした予測。既にAmazonなどのショッピングサイトではユーザの嗜好にそったお奨め商品などを表示してくれる。そんな次元で考えると、アース上で「ケーキ好きの女性が歩いている。評判のケーキ屋が次の角にあるから、この女性は右折するだろう。」「この日は朝からこの人気ショップでセールがあるから、ショップ前には朝から長蛇の列。このショップをネット上で検索してたり、カレンダーにメモしてあったり、だからこの時間帯にこの路線のバスに乗っていく人は何人いるからいつもより混む」みたいな。アーズ上に明日の地球を作ってしまう、マトリックスや甲殻機動隊みたいな未来がちょっと見えてきた?
とにかくVRには未来があるわけで、僕らの業界にもいつかはVRならではの設計手法が生まれることでしょう。たとえば容易に想像がつくのが図面レス。建築だったら、壁はこんな色、柱は何本あって、居間はこのくらいの広さで。。。みたいな感じでVR上で全部決めてしまう。で、あとはコンピュータ任せ。勝手に図面にしてくれたり、構造計算してくれたり?。VRだとなんでもありで通用してしまうから、物理的な問題はコンピュータに判断してもらう。そんな時代になれば、設計者もクライアントも(誰もが聞き取れない方言みたいな)図面に用はない訳です。人が接するフロントエンドに図面という記号は一切必要ない。図面はコンピュータ同士がやり取りするための手段。人はVRで設計を考え、作り、見る。そんな時代が来る、そう思いませんか?
(*もうひとつお話ししたかったのが、ローポリモデリング。ビジュアライゼイションに、より美しく見せるレンダリングテクニックがあるように、VR用モデリングにもいろいろな技法が存在します。それはまた次の機会で)
ご清聴、どうもありがとうございました。